テクノポップとお見合い

perfumeが売れている。いわゆる一発屋で終わるかどうかは知らないが、少なくとも後で「あの人は今」のネタになるくらいのインパクトはあるだろう。あの人達は、テクノポップというコンセプトを前面に打ち出している。これは私くらいの世代の者には、かなり訴求するものをもっている。

中学生時代に当時話題のYMOのカセットを聴かせて貰ったら、曲の合間にコントが入っていたりして、その前衛振りに度胆を抜かれたものだ。バンドのリハーサルをテーマにしたもので、ギタリストがハードロック風のソロフレーズを弾いていると、リーダーが「今はそういうのは流行らないから、もっとニューウェーブな感じで頼む」と止めに入る下りがあった。ニューウェーブという言葉が懐かしく思える、というのも矛盾していて面白い。カーズ、ブロンディ、アダム・アントなど汗くさくないロックを連想する。デビッド・ボウイはそれ以前から活動していたが、当時はそれらしい演奏をしていた。日本にはパンク、ニューウェーブで粉砕しなければならない守旧派はなく、いきなりワーッとシーンができたような気がする。ロックシーンの肇まりからいきなりYMOスターリン(バンドの)なのだから日本人というのも、素晴らしい民族だと思う。

perfumeは最初からテクノポップに興味があった訳ではなく、ある日突然、スタッフから「はい、これ」と渡されたのだそうだ。TV番組で「よいところを探して好きになろうと思いました」と言っていた。お見合い結婚みたいで、面白いことを言うものだ。

#カゴメのラブレのCMソング「しるぶぶれ♪」がやけに耳に残ると思っていたが、あれは遠藤ミチロウの「腐った魚が食べたくてオマエはうろつく」の巻き舌を正しく継承しているものだ、と気が付いた。