アンヌの日記

ウルトラ警備隊の作戦室や医務室のセットがあった東宝美術センターが解体される。アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんがブログに惜別の念を綴っている。アンヌ隊員の目で当時を振り返る形をとっているものだが、その生き生きとした描写が、何というかもう、ただごとではない。ウルトラ人、特撮者にとって、これは事件だ、といってよい。この他にもブログには、事情により封印されてしまった作品への想いや、サイン色紙を転売する不心得者への憤りが、淡々と述べられている。美術センターの話題がコメント欄で好評なのを見て「気をよくした」ということで、すぐさま続編となるノリのよさはファン冥利につきるものである。

かつてアンヌ隊員のエッセイ集が発売された時にはすぐさま購入した。語尾に「〇〇なのよネ」とカタカナを用いる文体がとても印象に残っている。現在のブログでこの文体は使われず、すっかり今ドキ風味だ。年末のイベントで生の姿を見たが、以前「あの人は今」的なTV番組に出演した時よりもずっとずっと若返っていて、とても驚いた。アンヌ隊員に一体何が起こっているのか。

我が国では、コミック・アニメ文化の隆盛が、あまりにも長く続き過ぎた。特撮親政への大政奉還が刻一刻と近づく息吹を感じる今日この頃である。

アンヌ隊員のブログ
「さよなら・・美セン」
http://blog.goo.ne.jp/anneinfi/e/de780b7433c91aaf121e717f6b545dcf