五輪欠場は潔いか

アルピニスト野口健さんが自身のブログで今般のチベット動乱について触れている。

http://blog.livedoor.jp/fuji8776/

野口さんは現地を何度となく訪れているので内容の精度はとても高いものと思われ、大変参考になる。彼は事態が好転しないなら北京オリンピックのボイコットも視野に入れるべきだ、と述べている。

野口さんやスピルバーグ監督の行動は中国での活動を制限されるリスクをとった上でのものだ。ダライ・ラマと会談したメルケル独首相は有形無形のプレッシャーを受けたという。我々日本人がオリンピックをボイコットすることについて、果たしてどれほどのリスクがあるだろうか。我が国と中国の経済は、分かち難い程に融着している。単に五輪を欠場するだけでは安全地帯に身を置いたままでの批判に過ぎないのではないか。本気で抗議をするのなら、反り血を浴びる覚悟で経済制裁へ踏み切るべきではないのか。諸物価は高騰するだろうが、人の生き死にが関わっている問題にコミットするのなら払うべき代償だ。五輪を欠場して溜飲を下げるのみならば、傍観者と何ら変わるところはない。項目を限定すれば、まるきり実現不可能ということもないのではないか。国民一人一人が亜細亜の朋友の痛みを共有することには意味がある。