急患を体験する

junks22008-06-03


誤ってシンナーを飲んでしまった。缶入りのお茶と取り違えてしまったのである。写真を見れば、「ははあ、これは無理もないね」と誰もが納得してくれることと思う。

異状を覚り、咄嗟に液を床に吐き出した後、うがいをしたり、咽に指を突っ込んだりしてみた。とりあえず、どうということはないようだが、最寄りの胃腸科医院に行くことにした。これでも妻子有る身だ。そこでの経緯は省略するが、「大きな病院に行ってくれ」ということになった。急ぐのは私の事情であり、この医者に非はない。物を投げたりするのはよくない、と反省している。

「大きな病院」まで乗ったタクシーの運ちゃんには、「トバしてください」とお願いした。気分は「デスアレードライバー」PVのブラックモア先生である。運ちゃんは途中で前が詰まると、舌打ちをしたり、ふうんと息をついたりしてくれた。たとえゼスチャーだとしても気が和んだ。

すっかりトラブルはごめんだ、という気分になっていたのだが、窓口で事情を話すと、あっさりと受け付けて貰えることになった。さすがは大きな病院である。髪を染めた20代の医師が応対してくれた。「私はシンナー類には詳しくないのですが、中毒になると頭痛や動悸などの症状が出るとここに書いてあります。」とコンピューターのディスプレイを示された。実に率直な人だ。最近の病院はこうなのだろうか。それらの症状の自覚はなかったので、安心だ、様子をみようという結論に達した。医師は「異状があったらいつでも電話をください」と微笑んでくれた。たとえゼスチャーだとしても気が和んだ。