戦え!マイティジャック

特撮ファンを標榜しておきながら、マイティジャックについては、80年代にムック本を一冊買ったのみだった。「きっといつかは」と思っていたが、先日ついにDVDを入手した。この作品のメカニック描写はただごとではない。生きていてよかった…、としみじみ感じる。

まだ全体像を把握していないのだが、マイティジャックとは、超兵器MJ号を駆使してテロリストから世界を守る秘密組織である。轟天号のような万能戦艦の内部には、バラバラに分解された戦闘機や小型潜水艇が格納されていて、それらがオートマチックに組み立てられて出動するのが見せ場になっている。わざわざこれらの子機が分解されているのは省スペースの為なのだろうと思うが、それにしては格納庫がやたらとだだっ広いように感じる。

「怪獣を出さない」という円谷プロの新機軸であったマイティジャックは、志しとは裏腹に視聴率の低迷に喘いだ不遇の作品として知られている。シリーズ途中から子供向けの30分番組へと路線変更を余儀なくされた。これを妥協、迎合と批判することは容易いことだが、どうして路線変更後の「戦え!マイティジャック」の方がテンポが小気味よい、と評価する向きもあるのだからわからないものだ。

「戦え!マイティジャック」の指揮官は、ウルトラセブンで宇宙ステーションV3のクラタ隊長を演じた南廣である。アオキ隊員を演じた山口暁も共演している。前者は多数の部下を死なせた為に辺境任務へと冷遇され、後者はウルトラ警備隊の正隊員昇格を目前にしながら殉職するという役まわりだった。そんな二人が「戦え!マイティジャック」ではメインキャラクターとして画面狭しの大活躍である。「ようし、俺もがんばろう」という気持ちにさせてくれる。ご両人ともに故人となられていることが悔やまれるが、その仕事を、しかと見届けさせて頂くことにする。