アトラス塩浜とぼんじりの梅酒煮

junks22009-10-25

ぼんじりはお尻の鶏肉である。どんどりともいう。歯応えの強い珍味だ。焼き鳥屋のメニューにはあるが、イトーヨーカドーや普通のスーパーには、なかなか置いていない。現場の近くにある生鮮館パワフルという店で売っているのを見つけた。なんと100gあたり58円の破格値である。一般の店のムネ肉よりも安いではないか。

インターネットでぼんじりの調理法を見つけることはできるが、冷凍されて売られていた場合に一気に調理すべきか、解凍→調理の手順を踏むべきか、というようなことまではわからないものだ。溶けた水分が煮汁に混ざってよくないんじゃないだろうか。私はマンションの全面リニューアル工事を監督しているので、住民の奥さんの一人に率直に尋ねてみることにした。奥さんによれば、冷蔵庫に一晩置いて自然解凍を待つのがよいそうだ。私の懸念した通り、水分が出るので、キッチンペーパーを敷いておけばいいらしい。パワフルの二階は100円ショップなので、まさに渡りに船だった。

ぼんじりには脂壷という部位があり、取り除く下処理が必要になる。嫌なにおいがするということだが、鼻を近づけてもわからなかった。煮汁に混ざるとよくないのかもしれない。ぼんじりには小さなツノ状の突起があり、そばに陰唇のような窪みがある。そこへ包丁で切り込みを入れる。最初のうちは、切り込みを入れると黄色い脂が飛び出すが、二個目、三個目と少しずつ位置を微調整すると、うまく切除できるようになる。気分は南方仁である。次は本来骨の処理の筈だが、あえて省略する。理由は後述する。

実は先日、砂肝の梅酒煮を作った。味はいまいちで少し残してしまった。今回はその反省を踏まえ、清水1カップ、梅酒1カップ、醤油1/4カップを、我が超兵器たる圧力鍋に投入して強火で加熱する。前回より醤油の量を増やしてみた。煮立ってきたところでぼんじりを入れて、蓋をセットする。煮汁が沸騰してピンが上がったら、弱火に切り替え、そのまま18分間加圧する。圧力鍋とタイマー付きIHヒーターのコンビネーションは完璧である。火が止まった後、自然減圧を待って、蓋を開ける。仕上がりは写真の通りである。実にうまそうだ。そもそもぼんじりはコリコリッとした歯応えを味わうものである。出来上がったぼんじりの梅酒煮は、かれいの煮付けのような風味と食感である。何か物凄く無駄なことをしているような気がしてならないが、これはこれで自信をもってお薦めできる。つまみには最適だ。是非お試し下さい。また、わからないことがあったら、私に連絡くでさい。ドゾ、ヨロシク。(c)スタイリー

前述したように、ぼんじりの梅酒煮は、かれいの煮付けのようにフニャフニャなので、箸で骨が選り分けられる。わざわざ手間をかけて下ごしらえをする必要はないのである。私の目論見通りの結果を見た。このことにより、身のロスが最小限に抑えられるという寸法なのであった。

書籍やインターネットだけで勉強していても、私がぼんじりの解凍で悩んだように、A知識とB知識の隙間の「ここのところはどうなっているのか」という場面に出くわすことがよくある。我流の学問には限界があるものだ。敬愛するアトラス塩浜選手の憲法講座では、「ここは憲法学者もあまり話題にしないところ」というような話をとてもわかり易く聴くことができる。自由に質問することもできる。木曜日の夜7時に上北沢の賀川豊彦・松沢記念館に集結しようではないか。受講料は1,000円と破格であり、ムネ肉やぼんじりを遥かに凌ぐコストパフォーマンスを誇っている。やりちゃんもいるヨ。