新・人間革命

私は基本的にはバス、電車、地下鉄等の各種交通機関で通勤しているが、荷物を運ぶ必要がある場合には社用車を利用することもあり、そのような場合には、ラッシュアワーの渋滞を避ける為に5:30頃に家を出ることになるのだが、平日のその時刻といえば、聖教新聞提供の「ラジオライブラリー/新・人間革命」が放送されているので、必ずそれを聴くことが習慣になっていて、思い起こせば現在の職場になって数々の現場を担当したが、荷物の搬入、搬出は大抵が現場乗り込み、撤収時期のイベントであり、仕事の節目節目でこの「新・人間革命」と接してきたことになる、と言うこともできて、そもそもこの「新・人間革命」とは一体何かと言えば、創価学会名誉会長にしてSGI(創価学会インターナショナル)会長である池田大作氏の自伝的小説を番組化したもので、主人公の山本伸一とは他ならぬ池田氏のことであるらしく、ラジオドラマというよりは朗読劇という形をとっているもので、出演者は男女の声優が各一名づつで、このシンプルな構成が長寿番組となっ
ている秘訣とも考えられるが、この番組のテーマソングもまた、実に美しい旋律で、一度聴いたら耳から離れない強烈な印象を残すものであり、通勤中の朝の番組としては理想的な形態であると思われるが、自伝的小説と言いながらも、この番組は、今や我が国最大級の宗教団体となった創価学会黎明期のエピソードに留まらず、唐突にピラミッドを建設中の古代エジプト人や、日本の歴史上の人物が登場したりして、マンネリ化を防いでいるように思えるが、私はこれをずっと続けて聴いている訳ではないので、もしかするとストーリー上の必然性があるのかもしれず、こればかりは何とも確かめようがないのであるが、この番組の底流にある、やたらめたらと前向きなメッセージは、時には創価学会員ではない自分にとっても励みになるものであり、日本共産党が自らを労働者の前衛と位置付けたのに対し、創価学会が欲望、煩悩を全肯定する大衆路線を打ち出して会員の獲得に邁進し、戦後社会のいわゆる低所得者層における両者の支持者取り込みの優劣を決定づけた一因が、おぼろげにでは
あるものの、想像できるような気がするのである。