「煮詰まる」の用法

昨日に続いて言葉遣いについて考えてみる。

アトラス選手は、「煮詰まる」という言葉は本来、機が熟した、という意味であるのに、しばしば「行き詰まる」と誤用されている、と憂慮する。あまのじゃくを演じたがっている訳ではないが、「煮詰まる」が否定的に用いられるのは、かなり昔からのことなのではないだろうか。私はこれをみて、以下のような解釈をしていた。

鍋ものがいい感じに煮えてきたのに、他のメンバーは仕事のけりがつかなかったり、不慮の来客があったりで食卓につくことができない。オイオイ、このままでは焦げ付いてきちゃうぜ、というジレンマ…。

あくまでも「煮詰まる」が否定的に使われていることに対する後付けの解釈だけれども、私はずっとこのように考えていた。少しネットで検索してみたが、このような記述は見当たらなかった。読者の皆さんはどのように考えますか。

ある問題について、持ち寄った情報を詳細に検討した結果、事態を好転させる要素が皆無であることが判明した。このような場合には、「煮詰まる」と「行き詰まる」がほぼ同義になるのではないだろうか。

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昨日の日記で触れた「青春とはなんだ」の主演は夏木陽介。後続シリーズとは違い、第一昨目になるこの作品にはシリアスな描写もあった。昨日の「貴様と俺」を歌いながらスクラムを組んだ生徒たちがデモ行進をするシーンには、かなり迫力があった。80年代に再放送を観た記憶があるので、是非ともビデオ、DVD化をして欲しいものだ。夏木陽介は、「ウルトラセブンX」にデウス司令の声で出演していた。私はこんな大物が声だけとは勿体ないので、最終回近くで登場してくるに違いない、と踏んでいたが、予測は外れた。しかし、ガッカリするのはまだ早い。映画版「ウルトラセブンX」ではどんでん返しがあるかもしれないじゃないか。今でも話題になるダンとアンヌだが、制作当時のひし美ゆり子さんは、森次さんよりも夏木陽介に惹かれるものがあったとエッセイで回顧している。セブン・夏木の接点は、昨日今日の話ではないのだ。