ウルトラセブン安保

ミクシィ憲法改正に関するトピックで、いわゆる護憲派を「ウルトラマンを信じるような人達」と揶揄している人がいた。

円谷プロウルトラシリーズには、

ウルトラマンの力を過信して失敗するイデ隊員(ウルトラマン)や、郷秀樹(帰ってきたウルトラマン)
・「人類自らの手で地球を守る」と決意するキリヤマ隊長(ウルトラセブン)
・最終回では変身せずに戦う東光太郎(ウルトラマンタロウ)

などの姿が繰り返し描かれており、安易に「苦しいときにはウルトラ戦士が現れる」というメッセージを発しているものではない、と告げた。先方もDVDを持っていたらしく、すぐに撤回に応じてくれた。ウルトラは、人のこころに平和をもたらす。

ウルトラセブン「セブン」が米国海軍第七艦隊のメタファーである、という説は、昔からまことしやかにささやかれている。これが単なるヨタ話として一蹴されずにいるのは、他のウルトラシリーズに比較してもウルトラ警備隊とセブンの双務性が高く表現されていることに起因するものと思われる。巨大化した宇宙人はセブンが倒し、円盤の掃討はウルトラ警備隊、というように役割分担されている例は、枚挙に暇がない。対ペダン星人戦に至ってはライトンR30爆弾の開発、砲撃が必須勝利条件だった訳で、ここではセブン、警備隊の主従が完全に逆転している。

我が国の防衛問題においても、日米安保同盟を堅持しつつ、両者の双務性を高めていくことが必要だ。実際問題、米国政府は恒常的な債務超過に陥っており、今後グアムの基地に軸足を移し、朝鮮半島から兵力を撤収する、というシナリオも充分ありえる。セブンと警備隊のような対等な関係が、否応もなく求められてくる。