ウルトラの鐘

先日の日記にお馴染みのマイミクシィさんから「二度目があったらどうするのか」「声はかけなかったのか」というコメントを頂いた。かっこつけるわけじゃないが二度目があっても何もしないと思う。

20代初頭の私は、自分はロック方面の人なので、スキーとかテニスとかそういうチャラチャラしたものには手を伸ばさない、と心に決めていた。そんな私を辛抱強く説得してスキー場やテニスコートに連れ出したのが、その15年前に別れたK子さんだった。今では、例えばこの私と是非ゴルフや麻雀をしたい、という申し出があり、それを楽しみにしてくれている人がいるのなら、可能な限り努力すべきだと考えるようになった。K子さんは私に大きな影響を与え、それは既に私の一部になっている。この他にも私には、絡み付くような悪ふざけが止まらなくなる性分がある。それは同級生の「佐伯くん」や、恩人の「社長ちゃん」の影響だと思う。個の確立を理想とする左翼思想よりも周囲との紐帯を尊ぶ保守思想の方が私にとっては遥かにリアリティがある。

詳細は忘れてしまって誤っているかもしれないが、大規模に汚染された地球を救う為にウルトラマンタロウが光の国にウルトラの鐘を取りに行く、という話があった。鐘は光の国のディープでコアな場所にあるので、ウルトラ兄弟が六重合体しなければ入って行けない、体がもたない、という設定だった。六重合体といっても外見はただのウルトラマンタロウである。見た目は変わらないのに、その時に彼はセブンでもあり、エースでもあるというイメージがたまらなく好きだった。

ブルーハーツヒロトと山川のりおは両方とも好きだが、彼らが共にジョナサン・リッチマンをリスペクトしていて一緒にバンドをやっていたということを最近知った。確かに彼らの中にジョナサンはいるように思える。やはり15年程前にポーグスというバンドのライブの入場待ちをしていたら、後ろにヒロトと友達が列んでいたことがあった。ヒロトは友達に「ジョナサンのコンサートに行けなかった」とこぼしていた。私はそのコンサートに行った。とても素晴らしい内容で今でもはっきりと覚えている。

私につながる人間に少しだけでも私を遺せたら嬉しく思う。それは他の人から受け継いだものでもあるから。